半袖の季節が来るたび、私の心は少しだけ曇っていました。電車の吊り革を持つとき、ふと腕を上げた瞬間、友人と笑い合った拍子に、常に頭の片隅にあったのは「脇、大丈夫かな?」という小さな、しかし重たい不安でした。毎日のようにお風呂場でカミソリを当て、剃り残しがないか目を凝らしてチェックする。それでも翌日には黒い点々とした剃り跡が顔を出し、急いで処理すればカミソリ負けで肌はヒリヒリと痛む。そんな生活を、私はもう何年も続けていました。毛抜きで一本一本抜いては、埋没毛と色素沈着に悩まされ、肌はどんどんくすんでいく。ノースリーブのかわいい洋服を見つけても、「でも、脇が気になるから」と諦めるのが癖になっていました。この、終わりの見えない自己処理のループから抜け出したい。心の底からそう願った時、私は脇脱毛を決意しました。初めてクリニックの扉を叩いた日の緊張感と、カウンセリングで聞いた「もう自己処理はいらなくなりますよ」という言葉の輝きを、今でもはっきりと覚えています。施術は、よく言われるように「輪ゴムで弾かれるような」痛みがありましたが、それは長年のコンプレックスから解放されるための、ほんのわずかな代償に過ぎませんでした。回数を重ねるごとに、自己処理の頻度は劇的に減っていき、カミソリを握らない日が続くことの、なんと快適で自由なことか。そして、全てのコースを終えた日。私は鏡の前で、ためらうことなく腕を上げました。そこに映っていたのは、剃り跡も黒ずみもない、滑らかな肌。しかし、私が手に入れた最も大きなものは、その美しい肌ではありませんでした。それは、どんな時でも人の目を気にすることなく、自分らしくいられるという、揺るぎない「自信」でした。今では、どんな洋服も自由に楽しめます。吊り革を握る手にも、友人とハイタッチする腕にも、もう何の躊躇もありません。脇脱毛は、私の肌を変えただけではなく、私の心を解き放ち、日々の生活に彩りを与えてくれた、最高の自己投資だったと心から思っています。
脇脱毛が私にくれた新しい自信