美容クリニックの選び方

医療
  • 肌を引き締める高周波治療とたるみケア

    医療

    たるみ治療の選択肢として、ハイフ(HIFU)と共によく名前が挙がるのが、サーマクールやポテンツァに代表される「高周波(RF)治療」です。どちらもメスを使わずに肌を引き締める照射治療ですが、その仕組みや得意とする分野には違いがあります。特に、肌表面のハリ不足や毛穴の開きといった、30代特有の複合的な悩みにアプローチできるのが、高周波治療の大きな魅力です。高周波治療は、ラジオ波(Radio Frequency)という電磁波を皮膚に照射することで、体内の水分を振動させ、熱を発生させる仕組みです。この熱エネルギーが、主に皮膚の真皮層から皮下脂肪の浅い層に作用します。高周波の熱によって、まず真皮層にあるコラーゲン線維がタンパク変性を起こして収縮します。これにより、施術直後から肌がキュッと引き締まる即時的な効果(スキンタイトニング効果)が得られます。そして、より重要なのが長期的な効果です。熱によるダメージを受けた真皮層では、それを修復しようとする創傷治癒のプロセスが始まります。この過程で、線維芽細胞が活性化され、新しいコラーゲンやエラスチンが約3ヶ月から半年にわたって増生され続けます。これにより、肌の内部から弾力とハリが再構築され、引き締め効果が持続するのです。ここで、ハイフとの違いを明確にしておきましょう。ハイフの主なターゲットが、肌の最も深い層にあるSMAS筋膜であり、その目的が土台からの「リフトアップ」であるのに対し、高周波治療の主なターゲットは真皮層であり、その目的は皮膚自体の「引き締め(タイトニング)」です。建物の基礎工事で土台を引き上げるのがハイフ、壁や内装を新しくして頑丈にするのが高周風、とイメージすると分かりやすいかもしれません。30代の肌は、本格的なたるみが始まる前段階として、コラーゲンの減少によるハリ不足や、それに伴う毛穴の開きが気になり始める時期です。このような肌表面の質感の悩みに、高周波治療は非常に効果的です。肌全体の密度が高まることで、フェイスラインが引き締まるだけでなく、肌にハリが生まれ、開いた毛穴も目立ちにくくなります。